虫歯になる要因は以下の4つが関与するといわれています。
■宿主性要因
だ液の量、粘り気、緩衝作用(プラークによって出される酸により低下したphを引き上げる作用)、抗菌作用。
歯の形状、歯質。
■細菌性要因
菌の表面の構成物、菌の出す酸、内・外毒素、酵素など。
■食事性要因
糖分の摂取によりそれを栄養としてプラークが酸を出します。
■時間性要因
飲食物の摂取頻度、年齢、虫歯の進行速度など。
この4つの要因が重なった時に、むし歯は進行します。
●脱灰
虫歯菌の栄養素である砂糖を摂取すると、歯に付着している歯垢(プラーク)の中では細菌が酸が作ります。歯を溶かす程の酸性度になると、歯の表面よりミネラル成分のカルシムやリンが溶け出します。この状態を脱灰(だっかい)といいます。
●再石灰化
唾液によりプラークが洗い流されたり、唾液の緩衝能により口の中のpHは中性方向に戻り、唾液中のカルシウムやリン酸が歯に戻り始めます。この状態を再石灰化といいます。
脱灰と再石灰化は常に口腔内でおこっています。
軽いむし歯は再石灰化により治癒されます。この作用と歯質には個人差があります。(宿主性要因と細菌性要因)
脱灰と再石灰化は常に繰り返されますが、再石灰化が優位に働かなければ、どんどんむし歯は進行してしまいます。
再石灰化を優位にするには、「だらだら食いをしない」、「寝る直前に食事をとらない」、「食後は歯を磨く」ことです。
就寝中は、唾液の分泌がほとんど停止するため唾液の緩衝作用(pH中和作用)が働かず長時間、脱灰が続きます。
(時間性要因)
そして食事にも気をつけましょう。
●キシリトールなど上手に摂取し、糖分のとりすぎに注意しましょう。
●タンパク質、カルシウム、鉄分、ビタミンACなど、
歯周組織の抵抗力をつける食品を摂取しましょう。
(食事性要因)
家庭での虫歯予防のもっとも重要なものはブラッシングです。
毎日行われているから大丈夫? 「磨き方は正しい?」、「磨き残しはない?」。長い習慣は無意識のうちに行ってしまうものです。もう一度、初心に返って意識的にブラッシングをしてみましょう。
200gほどの極軽い圧力で一本づつ順番に磨きます。時間は一概には言えませんが、全面くまなく磨きましょう。
プラーク(歯垢)が長い間歯についたままになっていると、プラークに唾液中のカルシウムなどが沈着して歯石になります。 そうなってしまってはブラッシングでは除去できません。専門家のクリーニングが必要になります。歯周病、虫歯予防のためにも、定期的に歯医者に行くことをおすすめします。
また、お子さまの虫歯予防も極めて重要です。乳歯はすぐ抜けるかららといってケアを怠ると、その後に生えてくる、永久歯に悪影響を及ぼします。
特に、子どもは虫歯ができやすく14〜15才までは油断ができませんので、定期的な検診は必要になります。
フッ素は
オレンジ、イチゴ、ぶどう、ライム、ミント味などがそろっています。
MIペーストとは、CPP-ACPを使用した全く新しいコンセプトの虫歯予防製品です。患者さんの日常のブラッシング後や、歯科医院で行うPMTCの後などに使用します。
使い方はMIペーストを歯面に塗布するだけの簡単な操作です。
CPP-ACP(リカルデント)は、メルボルン大学のレイノルズ教授らのグループによって開発された牛乳由来タンパク質の分解物であるカゼインホスホペプチド(CPP)と、非結晶性リン酸カルシウム(ACP)の複合体です。
CPP-ACPはカルシウムとリンを過飽和状態(高濃度)で口腔内に供給してくれます。
CPP-ACPによるう蝕の予防機序としては、ミネラル過失部にCa、PO4を供給する再石灰化促進効果、ミネラルの溶出を防ぐ脱灰抑制効果、細菌の生成した酸、または飲食物に由来する酸を中和する中和・緩衝能の3つが期待されます。
MIペーストにはメロン・ストロベリー・バニラ・ヨーグルト・ミントと5種類のフレーバーそろっており、小児から大人まで好みのフレーバーを選んで使用していただけます。
ミント以外の4フレーバーについては、通常の歯磨剤が苦手なお子様にも好んで使用していただけます。また、5種類の中から1種類を自分で選択するという行為が、小児の虫歯予防に対するモチベーションアップに効果的と考えられます。
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